もともと充実していたニフティのメールフィルタリング機能に、学習型フィルタによる迷惑メール自動振り分けサービスが加わった。私も設定してみて1週間ほどが経過した。結論から言うと、このサービスのためだけにニフティに加入する価値アリである。
http://www.nifty.com/mail/spam_folder/
ニフティで設定した判別基準をベースに自動的に迷惑メールを判別し、専用の隔離フォルダに移してくれる。 隔離フォルダに入ったメールはwebメールの閲覧システムからもチェックできるし、標準設定では普通のメールソフトで普通にダウンロードできる。
ここでメールをチェックし、spamではないのに誤ってspam扱いされているものを元の受信簿に戻すことも出来る。その際に、「このアドレスからのメールは絶対迷惑メール扱いせぬように」と設定してやることも簡単に出来る。 逆に、spamと見なされなかったものを手動で隔離フォルダに移してやることも出来る。その際に、そのメールの差出人を拒否アドレスリストに追加することもできる。さらに素晴らしいことには、メール内容をその都度学習させ、 spam判定システムを鍛える ことが出来るのである。
この一週間のうちに200通を軽く超えるメールを「迷惑メールフォルダ」に受け取った。このうちspamでなかったのは、citibankから来た英文の案内ただ一通のみである。false positiveの割合は0.5%以下というわけである。一方、spamとはシステムが認識しなかったが私の判断ではspamであるというメール(false negative)は、一日平均五通程度あった。これらはほとんど中国語のspamである。日英以外の言語で書かれたメールは比較的苦手なようだ。
しかし、総じて、非常にきれいに迷惑メールを仕分けてくれている。従来のフィルタではNGワードを含んでいるか否か、禁止を宣言したアドレスからのメールか否か、といった固定的な基準によってspamを選別していたが、敵も無駄に頭が良いもんだから、みながViagraをNGワードリストに付け加え始めると、今度はVi@graだのV-iagraだのVia<!-- vgbbxx −−>graだのと、そのリストを潜り抜ける単語を考え出す。メールアドレスだっていくらでも変更できるから着信拒否アドレスリストはspamよけには殆ど無力だった。
そこへいくと、学習型フィルタは極めて強い。こちらが加えたfalse negativeなメールからもspamチックな単語を覚えていってくれるので、あと数百通もメールを食わせればさらに賢くなることだろう。
従来だと、受信簿に大量に取り込んでしまったspamの一群を目にしてため息をつき、マウスでspamにひとつひとつ印をつけて削除といった煩雑な手間をかけていた。もはやそれは必要ない。web経由で隔離フィルタを一瞥するだけでfalse positiveの有無はチェックできる。たいていはここでボタンを一発クリックするだけで全メールを削除でき、一挙に片がつく。慣れればspam削除作業に3秒とは要しない。
この振り分けサービス自体には利用料金の追加はない。また、料金コースの違いに関わらず全ユーザが利用できるようだ。他のプロバイダのADSL接続を使っている人でもニフティの お手軽コース1 を契約すれば、このサービスが利用可能となる。
参考までに、私は従来のフィルタサービスで.com,.net.,.info,.jp以外の文字列で終わるメールを着信拒否、hotmail、aolメールを着信拒否という設定にした上で(それでも週200通のspamが着信してしまうところが落涙もの)、この学習型フィルタを使うというパターンだ。
メールのチェックをするときには、メールソフトを開く前にまずwebメール機能を利用することにすれば、色々な意味で安心感が増す。
2004年2月29日追記
いくつか文章がおかしいところを修正。もちろん論旨は変わっていません。
さらに、折角だから社長のコメントも紹介しておこう。
これらの記事からトラックバックで様々なエントリーに飛べるので、一通り読めば現在のspamメール事情が大体把握できそうである。【トラックバック】
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-02-28)
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