最近つくばエクスプレスに乗りつけていたが、久しぶりに常磐線で東京まで往復した。
ちょっと見ない間に電車は全部新しくなっていて…。いろいろ変わっていた。
最近の常磐線は普通列車にもグリーン車が連結されている。今日は話の種に、帰路のみこのグリーン席を利用してみることにした。グリーン券は改札外の券売機でも買えるが、山手線などから乗り継ぐ場合、駅のホームに設置されているsuica専用券売機で買うことができる。車内で車掌から買うこともできるが、それだと250円余計に取られることになっている。
それでも70kmの距離に750円。まあ座席は広くゆっくりと足を伸ばして寛ぐことができ、下手な特急電車なみのクオリティーはあるとはいえ、微妙な値段である。ついでにいうとグリーン車には網棚というものが無い。荷物は全部床に置けということらしい。これも微妙である。ちなみにグリーン車は二階建てである。二階からホームを歩く一般乗客を見下ろせばなかなか優越感に浸れるかと思ったが、意外に目線は普通の電車と変わらず、あまり見下ろすという感じではない。
Suicaというものが使えるようになって久しく、私もいまやJal/View/Suicaの一体カードをゲットし、東京近郊どこに行くにも券売機に行列するということがほとんど無くなった。例外は都区内をあちこち回遊すべくフリー切符を利用したいときだけだが、これも出発地においては「行列」ということはほぼありえないのである。便利になった。
しかし、車内検札までもスイカでオートメーション化されているとは思わなかった。
バスの「次止まります」ボタン風の装置が座席の上部に取り付けられており、ここにsuicaカードをタッチすると、LEDの色が緑から赤へと変わり、「俺はちゃんとグリーン料金払ったぜ」という証明になるのである。この情報は私のsuicaカードの中に電子的な記録として書き込まれているのみで、いわゆるグリーン券という紙製のものは存在しないのである。
車掌は改札せず、このLEDの色を一瞥すればすむというわけだ。ただしsuicaをもたずに車内でグリーン券を買い求める客もいるので、車掌はちゃんと車内を巡回しに来るのである。
その車掌が女性なのは最近余り珍しくなくなったが、今回車内に廻ってきた車掌さんは右手に清算機をもちつつ左手にはビールやスルメの入った籠を下げていた。売り子さんをかねているのである。若い女性だったので最初は本当に車内販売をしに来たのかと思ったら、隣にすわったおじさんにグリーン券を売りつけて立ち去ったのであった。こんなのもはじめてみた。なんだか複雑な気分である。ということは、昔なら売り子の職にありつけたであろう人々が車掌の人数分雇用機会を奪われているということなのである。
話は飛ぶようだが…。大阪市役所だったか横浜市役所だったか、高卒者対象のポジションに大卒者が「身分を偽って」就職したとかで処分を受けた例があったよな。車掌に売り子の役をさせるのを許容しつつ、高卒者の役を甘んじることを選択した大卒者を不正者として罰を科す社会というのはいったいナンなのであろうか。今の社会、もっとも志の低い低階層者と、自己の利益を最大化する能力に異様に長けた「勝ち組」とが一方的に甘い汁を吸い、「中間階層」の人間が全ての付けを払わされているような気がする。みんな基本的におとなしいからまだ表面上うまくいっているが、そのうち臨界を越えて大爆発するのではないか。心配である。
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