30代研究者の就職戦線

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今日は就職の話で盛り上がる。 21世紀初頭の今日、研究職での30代はまだまだ見習である。大多数の人は期限付きでその先の保証など全くないまま仕事に励んでいる。その辺の不安定さは、たとえば芸能人なんかと同じだったりするのである。

私が大学院に入ったころは、35までに定職を見つけよ。さもなければ生きる道はないなどといわれたものだ。

今では、35未満では定職ナシといわれるらしい。

今日たまたま、前にいた研究室でポスドク(博士業を取ったあとの人がやる一時雇用の研究員。月給は悪くないが、3年ぐらいで放り出されるのがふつう。)をやっていた人に出会った。彼は私より6-7歳年下だが、既に奥さんと小さいお子さんがいる。数ヶ月前にポスドクの雇用期限がすぎ、1-2ヶ月放浪した末、近くの別の研究所に新たなポスドクの口を得た。しかし、早くいいとこ見つけて出て行けと圧力かけられているらしい。

かくいう私も、まあ大差ない境遇に居る。もうそろそろ終の職場を見つけて落ち着きたいものだが、早々いい口は転がっては居ない。

私は結婚する予定がないからまだいいが、子供を抱えてなおポスドクを続ける彼のような人は本当に大変だと思う。私にはとても真似する気力はない。素直に尊敬する。

さらに女性は大変だ。ポスドクとして売り出し、自分の立ち位置を確定させるべき大切な時期が、子供を産み育てる適齢期とモロにぶつかっているのだ。

これでどうやって人生設計を立てればいいのだ?

こういう状況を放置したまま、一方で日本は科学技術立国だと胸を張り、他方で少子化や晩婚化を嘆く身勝手な老人どもには、私は心底怒りを禁じえない。 私に言わせれば、晩婚化などなるべくしてなった状況以外の何者でもない。子供を増やしたかったら、もっと学校の先生を増やせ。公共投資を削って教育と保育予算を倍増させろ。30代労働者の生活環境を今の数倍充実させんかい。

そういうことを、今の日本は何もやってない。しかし、なぜか大学院の数だけは増えつづけ、能力とやる気はあるが潜在的失業者である人間を空しく増産しつづけているのだ。

日教組に罪をなすりつけて北陸新幹線などとオオバカなものを建設している場合じゃないっての。きいてるか、森さん!


本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2003-08-27)

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このページは、kojidoiが2003年8月27日 00:00に書いたブログ記事です。

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