イラク派遣問題の「黄色いハンカチ」運動に対し、 そのモデルとなったとされる映画「幸福の黄色いハンカチ」の山田洋次監督が違和感を表明した。
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200402/21/20040221k0000m040070001c.html
映画のハンカチは夫婦愛の証し。戦争に行く兵士の無事を願うこととは本質的に違う」と強い違和感を示した。
「自衛隊員を派兵する町で、黄色いハンカチが見送りに使われるのはとても気になる。イラク派兵が憲法違反ではないかという重要な論点が消えてしまうのが不安だ」と訴えた。これに対し、
運動を展開している北海道・旭川商工会議所(高丸修会頭)は「善意の運動なのに」と困惑している。
山田監督のコメントに同会議所の串橋佐吉事務局長は「善意で始めたことで商売にしているわけではない。理解してほしい」と話している。ここにも「思い上がった正義」が見える。正義であれば何でも許されるのか? 善意であれば何でも許されるのか? そういうものではないはずだ。 対北朝鮮問題でもイラク問題でも、「正義の名のもとに行なわれる好意はすべて正当化される」といわんばかりの言動が非常に目立っている。
こういう思考停止を野放しにしておいてはいけない。
そのような浅薄な「正義」が罪もないイラク国民の人権蹂躙をまねいているわけなのだ。あるいは、北朝鮮拉致家族問題にしても、せっかくの地道な努力を安部を筆頭とする「正義漢」たちが台無しにしてしまった。彼らは「それみたことか、北朝鮮はやっぱり悪者だった! どんどん強気に押し通せ! もう一息だ」と鼻息を粗くしたもんだった。明日にも北朝鮮が日本の正義の前にひれ伏すといわんばかりに。だが北朝鮮問題が現在どうなっているかはご存知のとおりだ。
正義だ正論だ善意だと、そういう錦の御旗が振り回された挙句の悲劇は、他にも近代世界史の中にたくさんある。それを直視しようとしない愚か者どもが小泉や石原やブッシュを支えているわけである。なんとかしてこのリンクを粉砕せねばなるまい。
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-02-21)
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