夫婦別姓問題。産経新聞のバカがまたおかしなことを

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産経新聞の社説が夫婦別姓を批判している。これは別姓批判派がよくする典型的主張の一つだが、論理が破綻しているものだ。

http://www.sankei.co.jp/news/040312/morning/editoria.htm

大人の都合を中心に考え、子供の教育のことをほとんど考えていない
家庭教育の充実が求められる時代に、それに逆行するような夫婦別姓は進歩的とはいえない。
これまで何度かこのテーマで議論を戦わせてきた経験から、どうせまともな説明は返ってこないであろうと思われるが、いちおう問題提起をしておこう。
  • 夫婦が別姓を名乗るとどうして教育がおろそかになるのか。
  • 家庭崩壊の傾向が顕著になりつつあると示唆したいようだが、それにしては指摘されている相談件数の増加とやらがいわゆる「家庭崩壊」のありようを忠実に反映しているのか、まったく説明が出来ていない。そしてもちろん姓名との係わり合いも一切説明できていない。
  • そもそも家庭が崩壊すると国は崩壊するものなのか? 家庭を顧みないモーレツ社員が家庭を崩壊させたという事例はよく聞くが、かれらは会社を崩壊させたのか? むしろ逆だったはずだ。これから類推すると、国を崩壊させないためには国民が家庭に回帰してしまってはむしろ困るということになる。大変だ。まずは夫婦が同姓を名乗ることをむしろ禁止したほうがいいのでは?
さらにこの主張には、もう一つ大変おかしな点がある。通称使用なら問題なしとしているところだ。

契りを一度結んだ以上いついかなるときも家名を背負って行動すべし、という主張であれば、賛成は勿論できないがいちおう論理は一貫していることは認められる。ところが、そうではないわけなのである。かれらは、役場に届け出た婚姻届上で同姓でありさえすれば、他の公的書類でも日常会話でも一切通称で通してかまわないと言っているのである。

そんなに婚姻届が重要なのか? なにかあの一枚の紙切れに夫婦の絆だか親子の絆だかを維持する魔力が宿っているとでも解釈しなければ説明できない論理だ。 神田明神の結び石 みたいなイメージであろうか。まあオカルトを信じたければ好きにすればいいんだがな。

だが、もちろん本当はオカルトではないのだろう。上記の明白な論理矛盾は、彼らの主張のよりどころのように見える教育だの子供だのが「恥ずかしくていえない本当の理由」を隠すための後付けの理由である可能性を強く示唆している。例の「黄色いハンカチ」なんかも同じだが、正義とか良心とか良識とかを具現しているかのような 正面きって否定しがたいもの を錦の御旗として掲げておき、本当に問題とされるべき「何か」を覆い隠そうとしているわけである。別姓反対も黄色いハンカチも、そのへんをきちんと監視する必要がある。

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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-03-24)

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このページは、kojidoiが2004年3月24日 00:00に書いたブログ記事です。

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