米国のあのパウエル長官があの3人を誇りに思えと明言した。 そしてルモンドも。 かさにかかってバッシングしているアホどもこそ、陰謀に踊らされている井の中の蛙なのだ。
朝日新聞でも 「日本にも新世代育つ」 仏紙が3邦人の行動を弁護 との見出しで取り上げられていたフランス・ルモンド紙の記事。これを余丁町散人さんが抄訳され公開された。
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C394170269/E2083218708/index.html
20年に渡る不況も彼等のような新世代を産み出したのであればまんざら無駄ではなかったとしている。オタクとカワイイばかりが日本の若者ではないとえらく高い評価。パウエル長官も好意的だったし、この点についてはいつも仲が悪い米仏両国も珍しく「米仏協調」。三人をいじめるばかりの小泉首相は国際的に孤立だね。Exactly!
以下、抄訳のさらに抜粋である。強調文字は私の追加である。
「イラクで人質になった若い日本の三人は、イラクの泥沼の中で、善意だけを頼りにいったい何をしようとしていたのか? 自覚がないのか、それともナイーブなのか? 彼等以外に拘束されたと見られる二人の若者についても言えることだが、この出来事は 日本の若者の間において利他主義の価値観が強まっていることを示すものである。 」
「すべての若者が夢を実現できるとは限らないが、日本列島は、こと世界的な人道主義の高まりという動きの中で決してマージナルな存在ではないのである。日本ではさらに高年者たちまでがNGO活動に参入を始めている。それぞれ個別の活動は地味で小さいものの、 確実に日本で市民社会が形成されつつあることを物語っている。 」
「世界第二の経済大国とかが世界の新聞の見出しをにぎわすが、本当の日本の強みとか創造性は、 経済指標には現れないこうした市民活動にあるのである。 」
「 日本がいま其の平和ドクトリンを捨て去ろうとしているとき、NGOがいま新しい戦争反対の推進者となろうとしている。 イラクで捕まったこの三人はこの理想を共有していた若者である。ボランティア運動の常として、彼等の平和運動も一つにまとまったものではない。ヨーロッパに老いてみられるような大規模なデモもない。しかしいったんこのバラバラな運動に火がつくと大きな運動に結びつく可能性がある。阪神大震災では、これが可能だと云うことが示されているのである。」
……というわけで、ルモンド記者といいパウエル長官といい、ちゃんと見る人は見ているのである。国際社会における日本の株はそれなりに上がったわけだ。
元人質の3人はとにかく結果的にここまでのコメントを彼らから引き出した。
これに対して、日本政府の公式のアクションは、自衛隊派遣そのものも小泉氏や川口氏のコメントも、どれだけの宣伝効果を世界にもたらしたというのか?
人質事件は、イラクの国民に対しても日本の立ち位置を広く知らしめる結果となっている。とうの犯人たちが「日本国民の反戦言論の高まり」を人質解放の理由に挙げているようだが、要するに自衛隊を送りたがっている政府や一部の変な連中の行動が日本の総意ではないと知らしめることが出来た結果なわけである。それがイラク国民の間に人質事件への批判的空気を作り、宗教家たちが動き、犯人たちもそれを無視できなくなった。それらは外務省や小泉内閣の出した成果ではない。 自衛隊撤退の署名運動などを「恥ずかしい行為」などと非難している奴もいるが、その見方は180度間違っていることがわかる。
どうしても自衛隊派遣反対派のクチを封じたい何処かの勢力が流した「自作自演説」などに引っ掛かり、「人質家族の世論操作」などと批判している者どもは、てめえの方こそが早速うかうかと世論操作の陰謀に嵌ってしまっているわけで、情けない限りである。
彼ら3人の自己責任とやらを問うて経費の負担を求めるらしいが、とんでもない。小泉の取り巻き立ちの大好きな 国際社会での地位・発言力 を増すきっかけを作ったに等しい彼らに、逆に礼金を送っても良いほどではないか。
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-04-17)
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