どうもわかっていただけない人が居るようなので、今日は寓話を使ってみる。例の故事のさらに先のシナリオを考えてみよう。
商人「この盾をもってすれば世の中のどんな矛で攻撃されても……」
一見の客「ちょっと待て。それではその矛で盾を突いたらどうなるの? あなたの言っていることが両方正しいということは有り得ない。あなたはうそをついているな?」
商「な、何の根拠があってそんなことを? あなたに盾や矛の何がわかっているというのか。私が嘘をついているというなら根拠を示してみろ。」
客「だから、あんたの言ってることが両方同時に実現するということは論理的に有り得ないだろ。有り得ないんだから嘘だって言ってるんだよ。」
商「あなたのようなタイプの人はいつもそうだ。悪いものは悪い。いつもそれで済ませようとするんだ。じゃあ俺はどういう商売をすればいいんだ。対案を示してみろよこの無責任野郎。」
客「対案って……こんな争点で対案もへったくれもないでしょうが。君はうそをついた。俺はそれを指摘したかっただけさ。」
商「だから根拠を示せっていってんだよ。この矛の材質はなんだか知った上で俺に文句をつけてんのか? 盾の材質は? 重量は? 大きさは? さあ君の知識を語ってみろ。面倒でもそういうところをひとつづつ確認していかなければ物事を理解することなんか出来ないんだよ。それが大切なことだろ? さあどうなんだ?」
客「知らないし、興味もないね。しかし、論理というものを理解していれば、そういう細かい各論を知らなくても相手の欺瞞を見破れることもあるんだよ。君もそれぐらいのことは学んだほうがいいぞ。じゃ、俺忙しいから。」
商「こら、都合が悪くなるとすぐ逃げる。おまえのような奴はいつもそうなんだ。こっちの問いかけには何も答えないつもりか。まてよおい。おーい。おーーい。」
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-10-30)
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