日経バイオテクが短報を出した。どうやらGMO反対派の論拠がまた一つ崩れつつあるらしい。
これは10月2日に取り上げた 組み替えダイズ商用栽培 のニュースの続きである。
北海道では、2005年施行を目指し、組換え農作物の野外栽培禁止を盛り込んだ「食品安全条例」の制定を準備中だ。しかし、農業関係者の中には、農業の技術革新を根拠のない「風評」を理由に阻む、北海道の条例に反発する動きもある。道庁は栽培自粛を要請する考えのようだが、条例が施行されたとしても罰則規定もなく、法的には農民の自由を制約することは困難だろう。ここで懸念されるのが、GMO反対派による実力行使だ。既に彼らには前科がある( こちら を参照)。どうも彼らは忘れがちのようだが、日本は法治国家である。法律はここで宮井氏が企てているダイズ栽培を禁止していない。ゆえに彼の自由意志を尊重されなければならない。一方、他人の畑に植わっているものを所有者の許可なく除去したり枯死させたりするのは明らかに器物破損であり有罪なのである。そのヘン分かっているのか? 反対派のブログなどで観察できる彼らの理性のタガの緩さ加減 、危なっかしくて見ておれない。おかしなことにならぬよう祈らずにはいられない。
遺伝子組み替え作物に関する世界の趨勢だが、
9月にEU全域、25カ国で組換えトウモロコシの商業化と栽培が認可され、欧州市場のGMOモラトリアムも解禁となった。というわけで、条件付ながらもEU各国も遺伝子組み替え作物に本質的に問題はあるまいとの結論を確認するに至ったわけである。
さらに日経バイオテクの記事は興味深い話を紹介している。
日本生活協同組合連合会のプライベート・ブランドの調査(2003年度分)で、食用油では遺伝子組み換え不分別だろうと、分別を表示していようとも売上げに遜色がないことが判明した(日経バイオビジネス2004年9月号29ページ)。 GMOを消費者が忌避しているという決め付けも、一種の風評に過ぎないことが明らかになりつつある。消費者を勝手に味方に加えていた反対派の主張はただの煽りに過ぎなかったということのようだね。この日経バイオビジネスのバックナンバーは入手可能なので、後日くわしく紹介することにしたい。
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-10-07)
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