磐梯山の噴火により明治年間に突然出現したのが桧原湖に代表される湖沼群だ。
すさまじい話だ。明治21年のある日、磐梯山は大爆発した。水蒸気爆発で峰の一つが消し飛び、標高が一気に600メートルも下がった。大量の土砂が土石流となってあっという間にふもとを埋め尽くした。死者は500名と推定されるが、発見できた死体はわずか80だった。残りの死者は周りの樹木や家やその他もろもろと渾然一体となって一瞬の内にこの世から消えてしまったのだ。
大量の土砂は川をせき止めた。いま新潟県の山古志で起こっていることの何倍か大掛かりな現象が起きたわけだ。その結果が300に及ぶ湖沼の誕生だった。 桧原湖 はそのうち最大のもので周囲40キロに及ぶ。湖底には旧桧原村の集落がそっくりそのまま沈んでいて、湖の水位が下がると鳥居などが姿を現すそうだ。
写真は上記リンクの(5)のスポットの近くで撮影した。
時刻は午後4時半ごろ。かなり日が傾いてきていた。湖面にうつる山並みが実に見事だった。まだオフシーズンでもあり、周囲を行きかう車などは非常に少ない。車のエンジンを止めるとあとは遠くで鳥が鳴いている以外は一切の物音がない。
本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2005-04-27)
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