現在は今に決まっておるんじゃ。
テレビ番組などで、ここ数年のうちに急に皆が使い始めた言葉というのがある。
これが妙に耳に残って気になったりすることがある。
「すごいことになっている」なんていうのがそうだし、
「今現在」というのもそうなのだ。
「今現在」。誰が使い始めたのであろう。かなり不思議な言葉だと思わないか。
現在っていつだ。
もちろん、現在とは今のことに決まっておる。
現在=今=nowなのだ。すなわち、「今現在JR宝塚線は不通です」などという必要はない。「現在JR宝塚線は不通です」で十二分に意図は伝わるのだ。わざわざ「今」なんて接頭語をつける必要はない。事実ちょっと前までそのように人々は表現していた。ところがどうも最近のニュース番組など見ると、伝統ある「現在」という単語は殆ど死語のようにみえる。いつのまにそうなってしまったのか。不思議なことだ。
繰り返しによる強調という修辞方法があることぐらい俺様ももちろん知っている。だが、修辞というのは調味料と同じで、ここ一番という決め時に満を持して使わないと効力を発揮しないと思うのだがな。いったいそこまで気合をいれて伝えなければならない重大事項があんたのニュースに含まれていると本気でそう思っているのか、と、レポーターやアナウンサー諸氏に問いただしたい気分なのである。
本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2005-05-09)
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