住基ネットをなぜああ忌み嫌うのか分からない。
プライバシーが筒抜けになるとか言うが、その人たちは、いまこの瞬間自分のいかなる個人情報も自分の手の内にあるとでも思っているのだろうか。
そんなことはないのである。
この人たちの家には、子供が高校進学したとなれば何気に塾のダイレクトメールが送られ、成人したとなれば何気に成人式の晴れ着の広告ハガキが舞い込み、聞いたことのない会社からマンションを買えとシツコイ電話がかかってきたりはしていないのだろうか。
いまさら騒いでも遅いって。個人情報など20年前から筒抜けだ。それが危ないというが、民間の名も知らぬ会社に漏れているのと、政府機関に漏れていることの間にどれほどの危険性の差があるだろうか。
翻って、情報が一元化されることのメリットは確かにあると思う。早い話が、引越しや結婚などの際の様々な書類の更新はデータベースを統合すれば圧倒的に簡略化できるはずだ。夫婦別姓も怖くなくなる。パスポートでも保険証でもその場で新規発行できるだろう。
どうせとうの昔に漏れている情報なのだ。情報とは漏れるものという前提に立って、それを有効に利用するように考えるのが現実的で賢い。
……とここまで書いて、これと寸分たがわぬ主旨の文章をどこかの掲示板に昔書いたのを思い出した。fjだったかな。同じように根拠のない心配で大騒ぎする滑稽な人々ということで、遺伝子組み換え反対派のことも同時にバカにしたと思う。その当時を思い出し、今振り返ってみても、その主旨に何ら修正の必要を感じない。われながら実にまっとうな主張だなあ。
本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2005-06-01)
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