私の結論は、前から書いている通り、早く住基カードをきちんと整備しろということだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/y/94/index2.html
そのなんともお粗末な旧厚生省がまたぞろ、あちこちに手を広げようとしている。ダメな役所は仕事をつくり出すことだけは一人前だ。一つは「社会保障カード」だ。2011年度の導入を目指しているもので、国民1人に1枚発行、年金手帳、健康保険証、介護保険証を合わせた機能を持つ。それ自体は大いに結構である。だが、導入するからには、旧厚生省任せにしておくと、とんでもない結果を生みかねない。かつて、脱税防止のために打ち出された国民総背番号制は金丸信氏のツルの一声で立ち消えとなった。埼玉に要塞のようなコンクリートのコンピューター設置ビルまで造ったのだが、その後、統一カードの話は再燃していない。
何種類もの番号を持たせるのではなく、「1人1番号」のカード構想そのものは支持したい。それには個人情報の保護に万全を期す体制が前提だ。旧厚生省の所管範囲内だけで「社会保障カード」をつくるという次元から大きく脱皮させる必要がある。税金、預貯金、医療記録、運転免許証、選挙投票権そのほか、この1枚さえあればなんでも可能というカードが当たり前となる時代に備えるべきだ。
なんでもタバコの自動販売機もカード対応になるらしいが、こうして新しいカードを作るたびに、なんのことはないお役人の天下り先が増えていくのである。こちらを役人の考えるとおりにやらせておいて、一方で泡沫の独立行政法人なんぞ形だけ潰しても無駄である。割を食うのは例によって末端のしがない職員だけである。
カードは一種類でよい。身元保証も年金も医療サービスも全部国民統一番号で対応する。これをきちんとやっておけば各個人の履歴のトレースはきわめて容易になる。これが最強の解決策であり、というか抜本的な解決策はこれをおいて他にない。すべての情報を住基カードに集約する。いわゆる名寄せだな。これをどんどん進めるべきなのである。
住基カードがプライバシー侵害だとか憲法違反だとか言ってる輩は、国民福祉の包括的な向上の試みを妨害する犯罪的大バカ野郎である。取るに足らない個人情報の秘密とやらを守ることと、生活を守るためのサービスをゲットすることとどちらを優先させるべきか、ちゃんとした頭の持ち主ならわかるはずである。
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