「リンクポリシー」から主要新聞社を採点。合格は5社。産経・日経は落第。
以前に 無断リンクは非常識? というエントリーを書いた。
今回はその続編。主要新聞社がwebで公開している自社記事へのハイパーリンクについてどのように考えているのかを、ふと思い立って調べてみたわけである。
調査内容
調査対象は、
にリストアップされていた11社。それぞれのwebサイトのトップページ、もしくはその「直下」に被リンクへの考え方・方針が書いてあるかどうかチェックした。何らかの記述が存在した場合、- リンク行為の告知もしくは許諾依頼の提出を要求していないか?
- いわゆる「トップページ」以外の記事へのリンクを禁じていないか?
全国紙調査結果
毎日新聞 |
制限なし |
朝日 |
告知要求 トップ限定なし |
産経 |
事前告知要求 トップ限定 |
日経 |
事前告知要求 トップ限定 |
読売 |
トップ自由 それ以外は告知要求 |
北海道新聞 |
トップへのリンクのみ推奨。top以外URL維持の保障なし |
河北新報社・中国新聞・西日本新聞 |
制限記述なし |
中日新聞・東京新聞 |
告知要求 トップ限定 |
また、この「リンクはトップページにお願いする」というのも考えてみればずいぶん意味不明瞭ではないか。ここでも新聞社はwebというものを本質的に理解していないのではないかという疑念を禁じえない。典型的な例として、中日新聞・東京新聞のサイトでは「リンクは、各銘柄サイトのトップおよび各銘柄サイト内の各コンテンツのトップに設定可能です。」との記述がある。
はて、各コンテンツとは?
どこまでを「一つのコンテンツ」としているのか定義がないから、結果として文章が意味不明となっている。新聞社が書いて掲載する文章としてはいくらなんでもお粗末過ぎるのではないだろうか?
好意的に捉える余地がないでもないのは北海道新聞だ。ここだけはニュアンスがちょっと違い、「トップページ以外はURLが変動する可能性があるから」を理由に挙げ、トップページから各記事へのリンクを保障する旨付け加えている。リンクがリンクとして機能しつづけるようにと読者の利便を考えての措置とも理解できる。残念だが他社のトップ限定にはそのような根拠は見出しがたい。
ハイパーリンクをトップ記事に限定した上、根拠なく「許可」を要求している日経・産経は、最悪の新聞社として落第認定することにする。こうした宣言を書いてない毎日・河北新報社・中国新聞・西日本新聞および北海道新聞は合格。残りはいくらか問題ありなのでレポート再提出である。
ハイパーリンクの本質についてはここでくどくど書くのは止めるが、古来からの書籍などでの記事紹介のことを考えれば、リンク禁止というものがどんなにおかしい言い分かわかりそうなものだ。まあおかしな引用などで「偏向」した批判にさらされたり、「自分の褌で勝手に相撲を取る」輩が後を絶たないことへの警戒感は理解できなくもないが、それでもやはりこうした宣言は誰の得にもならないナンセンスな方法だと思う。
前のエントリーで書いた「事前にリンク許可をとるのがマナー」なるおかしな常識(あえてこういい切らせて貰う)、が一部で広まっているのもこうした新聞社の姿勢と無関係ではないのだろう。
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-02-06)
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