世紀の愚策「ゆとり教育」の悪影響は国語の授業にも及び、教科書から名作短編物語がどんどん消えているという。しかし一方、それらを収録した「復刻本」が人気を呼んでいるらしい。
http://www.asahi.com/national/update/0929/023.html
「チックとタック」や「おじさんのかさ」など、小学校の国語の時間に親しまれた物語が、教科書から姿を消している。国語の授業時間が減ったうえ、話す力や聞く力を育てることが重視され、掲載できる読み物が減っているためだ。消えた作品を教科書出版社がまとめて本やCDにしたところ、「子どもに読ませたい」と親世代の人気を集めている。小学生のころ、国語は一番好きな科目だった。うちの学校も光村の教科書を使っており、「チックとタック」のことも覚えている。確か小学一年の教科書のもっとも最後に掲載されていたような気がする。わさびを食わされたことで時計が「ジッグ、ダッグ」としわがれた音で時を刻み始めたというのが落ちだった。
これに限らず、とくに低学年のころに教科書で読んだ物語については、30年経った今なお多くのことを思い出すことが出来る。太郎コウロギもいい話だった。ごんぎつねを読んだときには本当に泣いた。
これらの物語に接する機会が今の小学生にないとすれば実にもったいない話であり、復刻版が売れているとは素晴らしいことだと思う。
しかしながら色々と難しい話もあるようだ。
教科書に残り続けるにはハードルも多い。「男のくせに」などという表現が性差を誇張していると指摘されて外れた作品や、ゴム風船を飛ばす挿絵が環境破壊につながるとされ、自然分解するエコ風船に挿絵を代えて復活をめざす作品もある。そういえばチビクロサンボも光村の教科書に載っていたのだった。たしか2年生だったと思う。単行本としても出版されていたが、人種差別だとしてお蔵入りになった。全く馬鹿馬鹿しい話だ。世の中は「美しい話」だけで成り立っているわけじゃない。文句をつける人は、子供が純粋無垢な存在で、さらに未来永劫純粋でありつづけるものだとでも信じているのだろうか? 度し難い浮世離れぶりだと思う。まあ、そんなマヌケ連中の言い分を切り捨てられない教科書製作側もいかがなものかと思うが。
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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-09-30)
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