スコアメーカー4.0がどれぐらい上手く楽譜を認識できるか実験

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スコアメーカー4.0の楽譜認識機能がどれくらい「つかえる」のか実験してみた。結論としては、侮りがたい性能が示され、スコアメーカーの有用性が確かめられた。

スコアメーカーの性能試験には、sheet-music.comから以前ダウンロードしておいたバッハの室内楽曲の譜面をサンプルとして使うことにした。この楽譜を選んだ理由だが、個人的にハ音譜表(ビオラパート)を伴う室内楽の楽譜のスキャンが使い物になるかどうか興味があり、その条件を良く満たす楽譜として最も手近に在ったのだ。

こいつを一旦プリントアウトし、さらにスキャンしたのが この画像 である。なお、印刷にはCanon MultiPASS B-25という複合型の普及価格帯のプリンタを用い、印刷品質は「標準」とした。スキャンにはCanoscan LIDE80というこれまた普及型の安いスキャナを用いた。解像度は300dpiとした。一見して判るとおり、市販の印刷物に比べるとその印字品質は非常に低く掠れまくっている。「こんなので実験になるのだろうか?」とも思ったが、とりあえずこのスキャン結果で以って挑戦してみることにする。

スコアメーカーに認識させてみた結果が これ

ところどころ色のついた小節がある。これは誤認識の結果つじつまの合わなくなっていることを知らせているのだ。たとえば第1バイオリンパートの第一小節目だが、全休符がなぜか全音符と認識されてしまった。2/4拍子の一小節に4拍の長さを持つ全音符はありえないので、「音符が多すぎる」との警告が赤色塗りつぶしという形で表現されているのだ。逆に、第2バイオリンパートの第一小節目では十六分音符が三十二分音符に間違われていて、本来より「音符が少なすぎる」。これが青色の警告として表示されている。

このほか、ハ音記号の認識に失敗しているし、第一バイオリン以外の全パートで調号の認識にも失敗している。

とはいえ、スコアメーカーが認識に失敗した箇所のほとんどは楽譜上の特別に微細なパーツ(旗とか付点とか)の見落としに起因するものであり、全体としては素晴らしい認識率ではないだろうか。このような掠れまくりな原稿からでもここまで情報を拾えるのは褒めていいと思う。まともな印刷楽譜なら、誤認識はもっとはるかに少なかったはずだ。

調号の修正は、画面左側のパレットで「ト長調」を選択してシャープ記号を音部記号のところにドラッグしてくるだけで修正できるし、ビオラパートのハ音記号も似たような方法で簡単に修正できる。音符の修正も、たいていは上述の警告色でもって発見できるため(これは文字のOCRよりも有利な点といえる)対処は容易である。

スコアメーカー4.0はすこぶる有用なソフトだ。それが結論である。前エントリーで書いたように合奏活動に役立てられる局面は多いだろう。

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本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2004-12-21)

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