http://www.5050jp.com というサイトでアンケートを取っていた。
「便座の蓋って使用後は開けておく,閉めておく,どちらがマナーに適っているの?」
回答者の55%は「閉めておく」だそうだ。
このサイトでは最新200の解答理由も閲覧できるようになっている。 「閉めている」派のコメントを読んでみる。目についたものを拾ってみると
- 蓋は閉めるのが常識だから
- でも自分の家では開けたまま
- 閉めた方が暖房便座の節電
- 閉めればお金が貯まると聞いた
- 開けたままならフタはいらないことになる
- すぐに使えるから
- 開けてみたら汚かった!っていうとショック大きいし。
- 面倒だから
- 閉まっていると開けなくちゃいけない。さわりたくないから。
- 湿気もにおいも篭りそう
この点、閉めている派の「それが常識だから」とか「蓋だから閉めるのは当たり前」とかの保守的な考え方には個人的にがっかりするね。私に言わせれば、これは全くの思考停止である。
特に「蓋なんだから」という意見は相当にマヌケ。道具というものは人間の都合に合わせて使ったり使わなかったりするものだろう。存在する以上使わなければならないなどというのは本末転倒。主体性がなく、道具に(便座に)使われてしまっている可哀想な人たちといえる。
常識という概念を一概に全否定するつもりはないが、頭の中に「だってそれが常識だから」というフレーズが掠めたときには本当にその「常識」が普遍性をもつものなのか考え直してみたほうがいい。多くの場合それはマイルールに過ぎなかったりするものだ。
「常識だから」以外の理由付けが他に見つからなかったとしたら、それは本当は常識ではない。
さて洋式便器の常識についてだが、ここでは「蓋のついていない洋式便器」および「和式便器」の存在を合わせて考えてみるべきではないだろうか。この二者には明らかに件の「常識」は通用しない。しかし、和式便器が「むきだし」だといって文句をつけている人にはお目にかかったことがない。ここで少なくとも「便器は閉じておくのが常識」は正しくないことが分かる。これ以外に蓋付洋式便器を他の便器と差別化する理由が何か考えられるだろうか? 私はないと思う。
ところで、便所によくあって私がかねがね無駄だと思っているものに「便所下駄」がある。「上履き」で行き来する構造になっている場合に便所に別の履物を用意しておく必要はまったく無いはずだ。だれか、「常識」という概念を使わずに便所下駄の存在の正当性を説明していただきたいと思う。
本エントリーの初出:チャンネル北国TV (2005-07-16)
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