年金を住基ネットのIDで一元管理しようという案が検討中とか。
明らかに、これこそがベストの手法である。
今になってやっと検討とは…もっと早くそうしておけばよかったのにね。
http://www.asahi.com/life/update/0623/TKY200706220439.html?ref=rss
政府・与党は22日、年金や医療保険、介護保険の個人情報を一元的に管理する「社会保障番号」を11~12年度をめどに導入し、ICチップ入りの「国民サービスカード」(仮称)を全国民に1人1枚ずつ配布する方向で本格的な検討を始めた。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と連携させることで今後は年金記録の入力ミスはなくなるとしており、国民は年金記録や健康診断結果などをパソコンでいつでも見られるようになる。
一方、年金記録の管理については、11年度をめどに新システムを導入。現在審議中の社保庁改革関連法案でも、年金加入者の住所異動や名前変更、死亡情報などを住基ネットから取得することになっており、法案が成立すれば、届け出がなくても自動的に基礎年金番号の情報が更新される。
過去に並存した複数の年金制度がそれぞれ独自に国民に識別番号を振っていて、その識別番号と国民との関連付けが1:1対応になっていないところに問題の本質がある。私も自分の研究データとしばしば同じような問題に突き当たって苦労している。遺伝子やたんぱく質や酵素のデータベースが山ほど作られているが、それぞれIDのつけ方が違うから互いの関連付けに大変な手間がかかるのだ。データベース間の関連付けをとなると、検証しなければならないデータの組み合わせの数は膨大なものとなる。
それぞれのデータベースが網羅すべきデータを100%網羅しているという保証がなく、必ず対応関係が存在するとの保証もないと(現実はしばしばそうなっている)、関連付けが妥当だったのか事後検証も大変である。注目すべきデータベースが2つから3つになったら…それだけでもう作業量は天文学的倍率に増大である。
打開のためには、全てを網羅した統一的認識番号の体系を導入するしかないのだ。
日本国民全体を相手にしたそれはまさしく住民基本台帳ネットワークということになる。新しいことは何でも危険視して騒ぐ大馬鹿野郎どものおかげでその整備の足が引っ張られ、いまだ国民に身近なものとなっていないのは真に残念なことだ。
プライバシーの侵害というが、馬鹿なことをいうもんじゃない。彼らが心配しているようなプライバシーなら、住基ネット以前にとうに「侵害」されている。というか、梁山泊で世捨て人の生活をしているのでない限り、その程度の「侵害」はないほうがおかしい。
一方で、国民総背番号が普及することによる大幅な手間の削減は(中間で馬鹿な天下り官僚などに搾取されない限りは)明らかに国や地方自治体の経費削減に寄与するだろうし、今回の年金問題のような馬鹿馬鹿しい問題を一掃して福祉の寄与に貢献するだろうことは明らかである。
安部ボッチャンも教育基本法改正などと馬鹿なことに時間を割かずにそっちの法案に地道をあげておけば、もうちょっと支持率を稼げたろうにねえ。
さて、ニュースで疑問なのは、またぞろ「カード」を新設しようという案が取りざたされていることだ。新しいカードなど全く不要だ。これは最低の愚案である。
なんかこの騒動を絶好の機会と見て新しいカード管理機構を作って天下り先を確保しようというたくらみが透けて見える。
住基カードを普及させてそれを年金カードとしても使えるようにすればコストは最低限で抑えられる。そのように使うためにこそ作られた住基カードだったはずだ。もし「新カード」とセットならやっぱり今の政治は信用できないな。
さて、民主党の対案は?
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