12日はここ数ヶ月楽しみにしていたロリン・マゼール指揮による東京交響楽団創立65周年記念特別演奏会に行ってきた。
コンサートには何度も足を運んでいるが、1万円をチケット購入に投入したのは初めてである。
本来なら我が住居からほど近い川崎駅前のミューザ川崎で行われたはずの演奏会だが、今回は新百合ヶ丘駅近くのテアトロ・ジーリオショウワなる場所で開催された。昭和音楽大学付設のホールである。新百合ヶ丘駅からペデストリアンデッキ沿いに、左右に林立するショッピングセンターの間を抜けて徒歩5分ほどでいける。これは通学が楽そうだ。
会場はほぼ満席の様子。ミューザでのいつものコンサートに比べ、客層はやや平均年齢高めであった。定年間近の熟年夫婦といった風情の二人連れのお客さんの占める割合が大変多かった印象である。杖をついて歩いているお客さんも多く、一方で子供の姿は殆ど見かけなかった。また、外国人の姿も目立った。
今回取った席は一階最後列中央。音響的な優劣はちょっと良くわからないが、オケ全体が無理なく見渡せるロケーションだ。マーラーの一番は、クラリネットやオーボエをベルアップして吹いたり、金管楽器奏者が全員ビッグバンドジャズよろしく起立して吹いたり、視覚的にもいろいろ楽しい曲である。オペラグラスを持っていけばもっと楽しめたかもしれない。コントラバスのソロがあることは今日ライブで見て初めて知った(これまでてっきりチェロのソロだと思っていた)。音についてだが、色々感想を書こうと思って書き始めてみたものの、何かどう書いても「違う」ような気がする。なので詳述するのは諦めて「大変な熱演であり惹きこまれた」とだけ書き留めておくことにする。
終演後、拍手がいつまでも鳴り止まず、団員全員起立した所で最後にコンサートマスターまで異例なことにお辞儀。アンコールはなく、団員全員退場して客席の電気がついてもまだ拍手が鳴り止まず、ついにはロリン・マゼールが再度単身舞台に出てきてお辞儀。ここでさらに拍手は前にもましてボリュームアップしスタンドオベーション状態である。隣のおじさんなどは「ブラボー」を5回ぐらい連呼していた。一万円分の感動は十分に味わうことのできた演奏会であった。
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